この慣例いつからあるの?
3月と4月は飲み会が多くなります。3月は送迎会、4月は歓迎会。よってそれらが開催されるお店は繁忙期にあたります。
飲み会なのでもちろんお酒を飲むことになるでしょう。先輩や上司にお酒を勧められることになると思いますが、飲める範囲で飲むようにし、無理な場合はちゃんと断るようにしましょう。
また、未成年者の方はどんだけお酒を勧められても飲んではいけません。未成年者の飲酒は法律で禁止されています。ノリが悪いと言われても毅然とした態度で断りましょう。
そんな飲み会ですが、昔から面白い慣習があります。それは“一杯目はビール”というやつです。最初の乾杯の時は皆ビールでするというのが、当たり前のようになっています。皆さんも経験あるんではないでしょうか?まぁ100%ビールじゃなきゃいけないということもないので、ビールが苦手な方は別のものを飲んでも大丈夫です。私もビールが苦手なので、いつも初めからカクテルやサワーを頼んでいます。
この時期は飲み会が続いて体調を維持するのが大変ですが、無理しないでくださいね。
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焼酎
以前はなんとなく「おじいさんの飲み物」のようなイメージのあった焼酎ですが、本格焼酎ブームが到来して一気に若い方の間にも広まるようになりました。日本では16世紀ころから製造されている、歴史ある蒸留酒です。連続式蒸留しょうちゅうと単式蒸留しょうちゅうがあり、この売り連続式蒸留しょうちゅうがいわゆる「ホワイトリカー」と呼ばれ、度数は36度まで。酎ハイや果実酒のベースなどによく使用されます。単式蒸留しょうちゅうが素材の風味を活かしたいわゆる「本格焼酎」で、度数は45度までになります。
焼酎は蒸留酒ですので、ウィスキーやウォッカの仲間になりますね。芋、麦、米などを中心に、そばや黒糖など様々な原料で作られますので、酒税法ではウィスキーやウォッカとの製造法での区別をつけるため「発芽した穀類を使用していない」「白樺の炭などでろ過していない」という条件が付けられています。
ちなみに沖縄独自のお酒として有名な「泡盛」も焼酎の一種です。むしろ、焼酎のルーツはシャム(かつてのタイ王国)から琉球、つまり沖縄にもたらされたものとされています。そういう見方で考えると、泡盛は焼酎の先輩ともいえるかもしれませんね。
本格焼酎は素材の香りや味わいが活きるのが特徴です。芋には芋の、麦には麦の香りがあります。黒糖焼酎は独特の甘みを感じられる香りと味わいで、日本版のラム酒とも言えますね。
蒸留酒ですので、あっさりとしているので、日本酒のような豊潤さを求めることはできませんが、軽やかな飲み口と香りのよさは焼酎ならではと言えるでしょう。二日酔いをしにくいので、翌日にお酒を残したくない時は、焼酎を選ぶといいかもしれません。
本格焼酎ブームの時は価格が高騰し、原料不足になったほどでした。今はブームも落ち着き、お酒の定番として愛され続けています。
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日本のウイスキー
日本のウイスキーといえば、朝に放映されていたドラマ、「まっさん」を思い出しますね。竹鶴政孝さんという方が、スコットランドの飲み物だったウイスキーを日本に伝えました。
竹鶴は、摂津酒造に入社し、スコットランドに留学しました。そのスコットランドで習ったウイスキー技術を日本に伝えようとするのですが、初めは受け入れられません。スコットランドのウイスキーは、日本ではピートの臭いが受け入れられませんでした。
鳥居信治郎の会社を辞め、北海道の余市町でウイスキー製造を行う会社を設立しました。しかし、はじめは、ウイスキーの出荷までの時間が長いことから、リンゴジュースを作っていたそうです。
そして、1940年に、第一号となるウイスキーが発売し、皆さんご存知の「ニッカウヰスキー」と命名しました。
「まっさん」のドラマを見ても分かるように、波乱万丈の人生を送ってきた竹鶴さん、日本のウイスキーには、この竹鶴の情熱と、行動力があったからこそ完成したのだと感じます。まだ見ていない方で、興味がある方は、ドラマ「まっさん」を見てみると良いかと思います。
スピリッツ
男なら、お酒といえばやっぱりスピリッツですよね。
アルコール度数の高いスピリッツを、ショットでくいっいく。昔、洋画で見たあのワンシーンに、子供心ながら憧れたものです。しかし、大人になってみても、スピリッツをストレートで飲むのは、なかなか厳しいもの。スピリッツを飲みこなせるようになったら、その時にやっと、大人の仲間入りができるような気がします。いわば、スピリッツは男のロマンのお酒といってもいいかもしれません。
さて、そんなスピリッツ(蒸留酒)ですが、その歴史は他のお酒と比べて面白いものになっています。それというのも、スピリッツの歴史には、蒸留器の存在が欠かせないからです。蒸留器という科学の進歩を経て、お酒を進化させたもの、それがスピリッツなのです。
お酒の歴史と紐付けてみると、スピリッツの歴史はより面白く見えてきます。まず、お酒の歴史ですが、判明している限りだと、今から約5500年前に初めてのお酒が作られていたと言われています。そして、蒸留器が発明されたのが、それから500年ほど後のこと。しかし、その時はまだスピリッツが作られることはありませんでした。
スピリッツが初めて歴史に登場するのは、今から3000年ほど前のこと。蒸留器が発明されてから、2000年も経ってから、スピリッツが作られるようになりました。確認されている限りだと、現在のエチオピアやインドのあたりで、スピリッツが作られていたと言われています。ただし、この時はまだ、世界中でスピリッツが作られていたわけではありませんでした。
スピリッツが世界中に普及するようになったのは、その500年後のことでした。当時はアレキサンダー大王による世界制覇が行われていた時代。そのアレキサンダーにも縁のあったアリストテレスが、ブランデーを造ったことから、アレキサンダーの制覇と共に、スピリッツが広まっていったと言われています。
初めてのお酒が誕生してから、スピリッツの作り方が広まるまで、その間5000年以上。各地に様々なお酒が根付いていたことはいうまでもありません。そうしたお酒をもとに、スピリットは作られていきました。だからこそ、スピリッツは種類が多いんですね。
当時の人も、スピリッツの登場にワクワクが止まらなかったことでしょう。だって、今まで親しんできたお酒が、別のお酒に変化するのですから。きっと、いろいろなお酒を蒸留器にかけて、スピリッツにして楽しんでいたのでしょう。
ビール
世界中で最もよく飲まれているお酒は、恐らくビールでしょう。
ビールにはワインと違い、どこか庶民的で気軽に飲める雰囲気があります。
その為、ビールは歴史の浅い飲み物だと勘違いされることが多いですが、実はお酒の中でも三本の指に入るほど古い歴史を持っています。
ビールの起源は正確には不明ですが、少なくとも紀元前3500年にシュメール文明でビール造りが行われていたことが判っています。
しかも、シュメール文明にとってビールは貨幣にも等しい価値があったらしく、労働の対価や国の税金、福祉としての支給物にビールが用いられたこともあったようです。
紀元前2000年頃にはビールを製造する地域も多くなり、やがてキリスト教が布教すると世界的にビールが知られるようになりました。
キリスト教といえば赤ワインのイメージが強いですが、実はビールも「液体のパン」と呼ばれ、キリスト教徒の間で親しまれてきたのです。
日本にも江戸時代なると、オランダ人によってビールが伝えられました。
そして、明治時代にはビール造りが盛んになり、現代に続く種々のビールが生み出されていきました。
日本酒
古くから日本は瑞穂国とも称されるほど米が大切にされてきた国です。日本のお酒の代名詞的な存在となっているのが、米から作られる日本酒です。米から作られるお酒は、米を作った百姓たちや酒職人の努力の結晶と言えるものです。
日本では、日本酒自体が神にささげる神聖なものとされるため、全国の神社境内では奉納された樽酒が見られます。神社にお酒を奉納するのは、神々から与えられた米の恵みに感謝を示し、そして翌年の豊作を祈願するためです。
神社では神々に供えるお酒を御神酒(おみき)と言って特に大切にします。また、樽酒は縁起物としても珍重されるため、お祝いのときの振る舞い酒としても利用されます。日本酒の魅力は、神聖さだけではなく、米由来の豊かな旨みでもあります。
特に魚料理とは絶妙によく合います。日本酒を製造するときに出る副産物の酒粕も上手に利用され、甘酒や粕漬けの材料となります。日本酒は美容にもよいということで、最近は女性にも人気があり、全国では多彩な種類の地酒が販売されています。
白ワイン
東西を問わず、お酒は人類とともにありました。中国の場合はわかりませんが、日本もヨーロッパもお酒は宗教的な意味わ持っていました。洗礼を受ける時、ワインを頭からかけるという風習がキリスト教では今でもあります。
この場合、ワインは赤ワインであり、白ワインというのはありません。だいたい、赤ワインは肉類を食べる時に一緒に飲み、白ワインは魚介類を食べる時に飲むものとされています。
ところが、ドイツで作られるワインのほとんどが白ワインです。ドイツ人が特に魚介類を好んで食べるということは、聞いたことがなく、むしろハムやソーセージがさかんに食べられている国というイメージが強いのです。これらの肉加工品はもっぱらビールと一緒に食べられるので、白ワインと一緒に食べるものではないのかもしれません。
これは未だワインというお酒が生活の一部に完全にはなっていない我々日本人の先入観なのかもしれません。ともあれ、禁酒のイスラム教以外の国では食事とお酒は強くむすびついています。
赤ワイン
西洋におけるワインの歴史は極めて古いものです。数あるお酒の中でも、特に魅惑的で神秘的な雰囲気もあり、今でも多くの人々を魅了してくれます。
新約聖書ヨハネ福音書15章に、私は葡萄の木であり、弟子たちは葡萄の枝であるというイエスキリストの言葉があります。キリスト教にとって葡萄は象徴的な存在であり、赤ワインと思われる葡萄酒の記述も聖書の中に非常に多く見られます。イエスキリストは最後の晩餐において、赤ワインを私の血であると言っているため、キリスト教では特に神聖なお酒として大切にされるのです。
ちなみに、英語のワイン(wine)という言葉は、ラテン語で葡萄酒を意味する言葉のvinum(ウィーヌム)と同根です。
古代ローマの政治家にして、博物学者でもある大プリニウスという人は、in vino veritas(酒中に真実あり)という名言を残しています。お酒を飲んだときにこそ本音があらわれるという考え方は、約2000年前の古代ローマの時代にはすでにあったようです。
歴史家でもある大プリニウスの記述から、少なくとも2000年前の古代ローマの市民の間でも赤ワインは日常的に飲まれていたことは確実です。